みりんの効果で料理がおいしく!そのうえ美容と健康にも良い!
料理に使うだけでなく、さまざまな美容効果や健康効果で注目を浴びているみりん。最近では美容効果の高い「みりん粕」も話題です。料理には何となく入れてしまいがちなみりんですが、料理をおいしくするいろいろな効果を持っています。それだけでなく、美容・健康の視点からもみりんはおすすめ。みりんの使い方や、含まれている栄養素・効能について詳しくご紹介します。
この記事の目次
みりん風調味料と本みりんの違い
みりん売り場に行くと、「みりん風調味料」と「本みりん」の2種類があることに気づくと思います。さらによく見ると「みりんタイプ」なんてものも。どれも見た目はほとんど同じだし、名前の違いもわずか。このふたつの違いをご存知ですか?似ているようでも、じつはまったく別のものなのです。
■本みりん
本みりんの原料は蒸したもち米・米麹・焼酎もしくは醸造アルコールで、法律で定められています。長い時間をかけてじっくりと熟成されるあいだに、米麹の酵素がもち米のでんぷんやたんぱく質を分解してうまみ成分にかわります。みりんの成分は甘味の元である糖分、うまみの元であるアミノ酸、独特の香りをもつ香気成分、乳酸やクエン酸などの有機酸などです。これらが料理にふくよかなコクをつけてくれます。ちなみにこれが↓本物のみりんです。こちらは日本最古のみりん、みりん中のみりんと言ってもよいでしょう。日本最古のみりん蔵の本みりん!「九重櫻」
■みりん風調味料・発酵調味料
みりん風調味料はその名の通り、みりん「風」。偽物とまではいいませんが、本物のみりんではありません。米・米麹・酸味料・糖類・塩・うまみ調味料などを混ぜて作られています。
ほかにも「みりんタイプ」などと書いてあるものもあります。こちら発酵調味料と呼ばれ、酒税法が適用されないように塩を加えて飲用できないようにしてあるものや、アルコールを1%未満に抑えたものがあります。
これらは比較的安く手に入りますが、本みりんのように酒類ではなくみりんの味をした甘味調味料だと言えるでしょう。
砂糖とみりんの違いって?
みりんに関する疑問でもっとも多いのが、砂糖とみりんの違いについてです。確かにどちらも甘い調味料。煮物などで甘みをつけたいときにどちらを入れていいのか迷ってしまいます。レシピによっては両方入れていたりもしますので、違いがよくわからず、使い分けに悩んでしまうかもしれませんね。
砂糖は強めに甘味をつけたいときに使います。みりんの甘さは砂糖の半分ほどなので、しっかり甘さを出したいときは砂糖を選びましょう。
みりんは、独特の旨味と香りがあり料理に風味を与えてくれます。料理をまろやかにしたいときや、照りを出したいときに使われるほか、魚の臭みを消す効果もあります。上品な甘さをつけたいときにもみりんを使いましょう。
みりんは砂糖と違ってアルコールを含んでいるため、煮物などアルコールを飛ばして使う料理に向いています。ただ素材の繊維を引き締めるという特徴があるため、使いすぎには注意が必要です。
■砂糖とお酒で代用できる?
みりんがないときに、砂糖と料理酒を使えば代用できると考える人もいるようです。しかし、砂糖にはみりんがもっているようなうまみの元であるアミノ酸はなく、独特の奥行きのある味を出すことはできません。
みりんの歴史
みりんの起源には2つの説があります。1つは中国から伝わった「密琳(ミイリン)」という甘いお酒が由来という説。もう1つはもともと日本にあった白酒などの甘いお酒に、腐敗防止にアルコールを加えたのが始まりとする説です。
みりんはお米でできていて、甘く、うまみも強いため、江戸時代にはお酒として飲まれていました。このように庶民の間で浸透していたみりんは、砂糖よりも手に入りやすい甘味料として重宝されていたのです。
米麹で作る甘酒と同じ原理で、炭水化物はエネルギーに変わりやすいため栄養ドリンクとしての役割も果たしていたようです。その後、時代のニーズに合わせて、より甘味やうまみを強く濃くしたものが作られるようになったのです。
■「mirin」は海外でも人気
みりんは日本独特の調味料で海外でも「mirin」として認識されており、諸外国の日系スーパーなどではみそやしょうゆと並んで安定した売上げを誇る人気の日本食材のひとつとなっています。
みりんの効果
その優れた効果から、日本料理には欠かせない存在であるみりん。みりんが料理に及ぼす効果はこんなにたくさんあります。
・甘味を加える
・コクを出す
・旨味を出す
みりんはもち米を発酵させることで生まれるアミノ酸やペプチドなどの旨味成分と多くの糖類が絡み合っています。そのため食材に甘味を足すだけでなく、独特のコクやうまみを与えるのが特徴です。
・煮くずれを防ぐ
・食材にうまみ成分を浸透させる
・素材を引き締める
・料理の保存性を高める
みりんに含まれるアルコールが、煮くずれを防いだり食材にうまみを浸透させます。同時に素材を引き締める効果もあるため煮魚などの煮物向きです。また味が溶け出すことを防ぐ効果もあり、食材の保存性を高めてくれます。
・魚の臭みを消す
・照りを出す
・つやを出す
みりんは魚の生臭さを消し、その独特の香気成分が素材を引き立てる役割をします。多種類の糖分を含むため、素材に照りやつやを与える効果もあります。
■みりん効果で砂糖を減らせる
みりん自体にほのかに甘味があり、みりんを使うことで料理に使う砂糖の量を減らして料理に複雑な奥行きを与えることができます。みりんを煮てアルコールを飛ばした「煮切りみりん」を使えば、糖分とうまみが凝縮されてさらに味わい深い仕上がりになります。
■みりんの保存方法は?
本みりん、みりん風調味料ともに冷暗所で保存するようにしましょう。糖度が高いみりんは、温度が高いところにおくと結晶化してフタが開かなったり、アルコール分が飛ぶ心配もあるためです。
見逃せないみりんの効果とは?
みりんの美容と健康効果に、今注目が集まっています。その理由を探っていきましょう。
■疲労回復・滋養強壮
麹菌が米の表面で繁殖する際、ビタミンB1・B2などのビタミンB群を作り出します。ビタミンB群は疲労回復に効果を発揮します。さらにみりんに豊富に含まれるアミノ酸は、栄養ドリンクなどにも含まれているほど疲労回復効果が高い成分です。これらの成分によって疲労回復や滋養強壮に効果的だと言えるでしょう。
■代謝を上げる
ビタミンB1・B6は炭水化物やタンパク質の代謝を助けます。そのためタンパク質からできている髪の毛や爪の健康維持のほか、代謝を上げて夏バテ対策にもなります。
■血糖値を上げにくい
みりんは低GI食品として知られており、血糖値をあげにくいという特徴があります。砂糖のGI値が115に対してみりんは15と圧倒的に低く、生活習慣病予防やダイエットにも効果的です。
■貧血予防にも
みりんには胴も含まれています。胴は体内で鉄分の利用をサポートする成分であり、貧血の予防や改善に効果的です。
■美肌サポートに
みりんに含まれるビタミンB群は、肌の調子を整えるのに欠かせません。また、みりんに豊富に含まれるアミノ酸は新しい細胞の材料となるため、アンチエイジング効果も期待できます。
美容効果バツグン!みりん粕ってなに?
みりん粕(みりんかすと読みます。)とはみりんを絞ったあとにできる粕のことで、見た目が梅の花に似ていることから別名「こぼれ梅」とも呼ばれます。みりんと同じようにほのかな甘味とうまみを持っており、料理人の間ではよく使われている食材です。
みりん粕はそのまま食べられるのはもちろん、料理やお菓子にも使えます。その甘さから昔の人々はおやつがわりに食べていたそうです。でも、アルコール度数が高いため食べ過ぎには注意してくださいね。
みりん粕が注目を浴びたのは、「レジスタントプロテイン」という新成分が発見されたことがきっかけでした。みりん粕に含まれているタンパク質が食物繊維と同じ働きをし、余分な脂質の排出やコレステロールの低下作用があることがわかったのです。そのため便秘解消や肥満防止になり美肌効果も期待できます。
■みりん粕漬け
では、実際にみりん粕を使った食べ方をご紹介します。酒粕と同じように使えますので、まずは酒粕でもポピュラーな漬物に使ってみましょう。酒粕でつくるのと比べ、ほのかな甘味とまろやかな風味になるのが特徴です。
みりん粕と塩を混ぜたものに、きゅうり・大根・にんじんなど好きな具材を漬け込んで2〜3日置きます。すぐ食べる場合は一緒に和えてそのまま食べられます。豆腐を漬ければチーズのような仕上がりに。サワラやブリなどの魚を漬けて焼くと、酒粕ほどクセがなくまろやかな味わいになります。
■みりん粕でクッキー
クッキーのレシピの小麦粉をみりん粕に変え、甘さを調整するだけで簡単にみりん粕クッキーが作れます。おからクッキーのようなイメージですね。独特のまろやかな風味と味わいが楽しめます。
■みりん粕で甘酒
みりん粕と同量の水を鍋でコトコト煮詰めれば、寒い夜に体があたたまる上体にもいい甘酒のできあがり。お子様でも飲むことができる優しい味わいです。お好みで砂糖を加えてもいいですね。甘酒は温かい印象が強いと思いますが、冷やしてもおいしいですよ。
■どこで売っているの?
みりん粕はあまりスーパーでは売っていませんので、通販が便利です。おすすめをいくつかリンクしておきますね。
みりんを使ったドリンクの作り方
続いて、みりんを使ったドリンクのレシピをご紹介します。直接みりんを飲むことになるため、みりん風調味料ではなく本みりんを使いましょう。なお、アルコールなしにしたい場合は「煮切りみりん」で代用できます。
■煮切りみりんの作り方
本みりんを鍋に入れて火にかけて沸騰させ、半分ぐらいの量になるまで煮詰めアルコールが飛べばできあがり。冷蔵庫で2〜3日は保存できますが、アルコールが飛んで保存性が落ちるためその都度作るのがおすすめです。
■みりんソーダ
みりんを炭酸水で割って飲みます。独特の甘味と風味が、中国のお酒に似ているという人もいます。こだわって作られたみりんであるほど、素材の美味しさが感じられるでしょう。お湯で割ってホットみりんにしたり、通はストレートでもいいかもしれません。
■みりんレモネード
レモンを1〜3個、好きな量スライスして同量のきび砂糖と一緒に瓶に入れます。レモンは皮ごと使うので国産無農薬・ノーワックスのものがおすすめ。2日以上漬けたシロップを炭酸水で割り、甘さを調整しながら本みりんを入れてできあがりです。
■みりんジンジャーエール
みりんを使ったジンジャーエールの作り方です。みりんとスライスした生姜・ブラックペッパー・カットレモンもしくはレモン汁をグラスに入れ、炭酸水を注ぐだけ。まろやかな口当たりながらさっぱりと飲めます。
■カルーアミルク風
濃いめのコーヒーを入れ、牛乳もしくは豆乳と本みりんを入れて混ぜるだけ。これだけで女性に大人気のカクテル、カルーアミルク風になりますよ。
■みりん紅茶・みりんコーヒー
紅茶やコーヒーを通常通り淹れ、砂糖のかわりに本みりんを入れるだけで、まろやかな風味が楽しめる大人の味に。
みりんを使ったスイーツレシピ
今度はみりんを使ったスイーツレシピです。砂糖がわりに使うだけでさまざまな料理に応用できます。
■みりんのカラメルソース
プリンなどに使うカラメルソースをみりんで作る方法です。みりん100mlを焦げないように様子を見ながら強火で3分煮詰め、カラメル色になったら水30mlを加えて更に煮詰め、とろみがつけばOKです。アイスやプリンにかけるだけで、ほのかな甘味とうまみがプラスされていつもと違う味わいに。
■みりんプリン
みりんのほのかな甘さを生かした、上品な味のプリンです。上で紹介したカラメルソースをかけてもいいですね。
【材料】
卵 1個
牛乳 150cc
みりん 150cc
【作り方】
1、鍋にみりんを入れ、中火でとろみが出るまで煮詰める。
2、牛乳を加えて混ぜる。さらに溶いた卵を入れて混ぜる。
3、茶こしで濾しながら器にいれ、アルミホイルでフタをする。
4、深めの鍋に器を並べ、器の半分まで水を張ったら中火にかける。
5、沸騰したら火を止め、三つ折にしたタオルをはさんで蓋をして30分置く。
6、冷めたらできあがり。
■みりんフレンチトースト
定番のフレンチトーストを、砂糖を使わずにみりんで作る方法です。
【材料】
食パン 4枚
本みりん 大さじ4
卵 2個
牛乳 200cc
【作り方】
1、食パンを2〜4等分に切っておく。
2、その他の材料をすべて混ぜてバットに流し入れ、食パンをつけて染み込ませる。
3、バターかマーガリンを溶かしたフライパンに入れ、弱火でじっくり両面に焼き目をつけたらできあがり。
■みりんのりんごコンポート
ワインがなくてもコンポートが作れる、手軽な方法です。
【材料】
りんご 1個
みりん 200cc
レモン汁 大さじ1
【作り方】
1、りんごは皮をむいて好みの大きさに切る。
2、みりんとレモン汁を鍋に入れて火にかけ、りんごを加えて弱火で煮る。
3、りんごがクタクタになったらできあがり。
■みりんを使ったレシピの注意点
みりんはアルコールを含んでいるため、そのまま使う場合は煮切ってから使いましょう。料理に使う場合は焦げつきやすいことから、仕上げの段階で使うのがおすすめです。また、使いすぎると苦みが出たりくどくなるので注意しましょう。
みりんは糖分が多く、摂りすぎると糖分過多になる恐れもあります。砂糖と比べると低GIで太りにくいですが、あくまで適量の摂取を心がけましょう。
使い道もさまざまなみりんでおいしく健康的に
そのまま飲んでもおいしくて料理にも大活躍のみりんですが、こんなに健康・美容効果があったとは驚きですね。特にみりん粕がブームになって以来、みりんの美容効果やダイエット効果は改めて注目を浴びはじめました。今回ご紹介したみりん粕やみりんを使ったドリンク・スイーツレシピで、みりんを積極的に取り入れてみてください。