そのままでも料理に使っても美味しいマヨネーズ。こってりしたコクのある旨みで何にでも合う万能調味料ですが、その一方でコレステロールやカロリーが気になる健康志向の人には敬遠されがちです。意外と勘違いされているマヨネーズの成分とその効果について紹介します。
この記事の目次
実は単純!マヨネーズの原材料
基本的にマヨネーズの材料は、卵、油、酢の3つだけです。元々はフランス料理の肉料理用のソースとして生み出されたもので、作り方も単純なので簡単に手作りすることもできます。
市販されているマヨネーズには大きく2種類です。
1、卵黄だけを使ったもの
2、卵黄と白身の両方を使った全卵タイプ
スーパーで選ぶときはまずはどちらのタイプなのかを見てみましょう。メーカーによって味の違いはありますが、基本的にはコクが強いマヨネーズが好きな人は1を、さっぱりしたものが好きな人は2を選ぶとよいでしょう。
卵黄だけを使ったマヨネーズはコクが出ますが、当然手間も材料費もかかります。そのため世界的にも全卵を使用したマヨネーズが一般的になっています。
使われる油はオリーブオイルが主流でしたが、時間が立つと分離しやすい性質を持っており、現在日本で発売されているマヨネーズには大豆や菜種などの植物性の油が使われています。
お酢についてもワインビネガーを使ったマヨネーズが基本的なものですが、果実を使った酢や穀物類から作られた酢、日本独自の米酢などいろいろなお酢が使われています。
日本では戦前から製造販売されてきましたが、当時は馴染みがなく高価なためか、なかなか普及せず、現在のように全国的に親しまれるようになったのは戦後かなり時間が経ってからです。
代表的なマヨネーズの栄養成分表を比較
日本製のマヨネーズの本家ともいうべき「キユーピー」と、日本のマヨネーズ普及に貢献した「味の素」のマヨネーズと栄養成分を比較してみましょう。(2020.12現在の情報、詳しくはメーカーサイトをご覧ください)
キユーピーマヨネーズ15g(大さじ1杯程度)
原材料:食用植物油脂(大豆を含む)、卵黄、醸造酢(りんごを含む)、食塩、調味料(アミノ酸)、香辛料、香辛料抽出物油
エネルギー:100kcal
タンパク質:0.4g
脂質:11.2g
炭水化物:0.1g
食塩相当量:0.3g
味の素ピュアセレクトⓇマヨネーズ15g(大さじ1杯程度)
原材料:食用植物油脂(菜種油、大豆油、コーン油)、卵、水あめ、醸造酢(醸造酢、ぶどう酢、穀物酢、米酢)、食塩、香辛料、濃縮レモン果汁/調味料(アミノ酸)
エネルギー:110kcal
タンパク質:0.21g
脂質:11g
炭水化物:0.54g
食塩相当量:0.27g
ほぼ卵と油でできているだけあって高カロリーです。わずか大さじ1杯が約100kcalなので、それだけで唐揚げ3個と変わらないカロリーを摂取することになります。
一方、糖質ダイエットなどでも話題になる炭水化物ですが、キユーピーのマヨネーズの方が少なめになっています。これは味の素のマヨネーズがコクを出すために砂糖や水あめなどを使用していることに由来しており、全卵タイプのマヨネーズ全般にほぼ共通しています。ダイエットに気を使うなら全卵タイプよりも卵黄タイプのマヨネーズを使用する方が良いかもしれません。
普通のマヨネーズとカロリーハーフマヨネーズの違い
マヨネーズは7割が油ですので、そうしても高カロリーです。健康とダイエットを考えるなら食べ過ぎには注意したいけれど、おいしいマヨネーズの誘惑に負けてしまう。そんな人のためにカロリーオフのマヨネーズも販売されています。
主にカロリーの元となるのは原料のおよそ7割を占める油ですが、カロリーをセーブするためには油を減らさなければいけません。
油を減らすためには、油の代わりになるものを使う必要があります。
使われるのは、砂糖や水あめ、増粘多糖類、タンパク加水分解物などの原料です。増粘多糖類は食品に粘り気やとろみを出すために追加する食品添加物のこと、タンパク加水分解物は人工的に作られたコクや旨みを作り出すアミノ酸の混合物のことです。カロリーオフ、カロリーハーフのマヨネーズにはそれらのものが使われています。
カロリーを気にするのか、糖質を気にするのか、どちらが正解かはわかりませんが、理解してから選びたいですね。
意外なマヨネーズの健康増進効果
カロリーさえ気にしなければ、マヨネーズは栄養価が高い食品です。マヨネーズに含まれる卵もコレステロールが気になる人もいると思いますが、マヨネーズ大さじ1杯のコレステロール量は卵1個と比べても10分の1程度です。
またマヨネーズにはビタミン類も豊富に含まれています。ビタミンA、B2、E、Kなどのビタミンが含まれていますが、とくに脂溶性のビタミンKは油に溶けていないと体内に吸収されない特徴を持っています。ほぼ油でできているマヨネーズは貴重なビタミンKを摂取するためにも効果的な食べ物なのです。
マヨネーズのアレルギー表示について
日本では農林水産省によってアレルギー表示について厳しい基準が定められています。アレルギー患者が多いことから絶対に表示しなければいけない成分として7種類、表示が推奨される成分が20種類あります。また、原料として使わない場合でも、原料を作る段階で使用していれば表示の義務があり、別商品を作るのに同一工程でアレルギー物質を含む食品を使用した場合でも、関係した食品は表示しなければいけません。では表示を見ておけば100%安心かと言うと、実はそうではありません。
なんと、マヨネーズには卵の表示がない場合があるのです。
卵も7種類の内の一つですが、マヨネーズの場合は、「マヨネーズ」と表示するために全卵または卵黄を使うことが義務付けられているため、卵の表示が省略される場合があります。身の回りに卵アレルギー体質の方がいる場合は気をつけなければいけません。
マヨネーズに使用される油や酢についても植物性のものが使用されていますが、アレルギー表示が推奨されている「大豆」や「りんご」などが使われている商品があります。
(※ちなみにキユーピーや味の素は大手だけあってマヨネーズに義務付けられた7種類と推奨の20種類すべてについて表示がされています)
上手に使って楽しもう
手軽でおいしい調味料マヨネーズ、自分の気になる点をチェックして、上手に選んで楽しく使いましょう。マヨネーズの成分と原料を理解して、快適なマヨネーズライフを送ってくださいね。