エクストラバージンオリーブオイルとオリーブオイルの違いとは?料理に合うおすすめのオイル6選
オリーブオイルが健康や美容にも良くて、その上おいしい素敵なオイルです。パスタはもちろんこと、アクアパッツァや、パエリア、アヒージョなど、地中海風な料理にも欠かせません。
このオリーブオイル、いまでこそ一般的なオイルになっていますが、オリーブオイルが定着してきたのは実は平成に入ってから。IOC(国際オリーブ協会)によると1990年から2010年の間には消費量が2倍になったというから驚きです。
お店に行ってみると、沢山のオリーブオイルが並んでいます。安価なものから1ビン数千円もする高価なものまで値段も様々です。一体、何を基準に、どれを選べばよいのか迷ってしまいますよね。
特に気になるのは、よく見かける「エクストラバージンオリーブオイル」と何もついていない「オリーブオイル」という表記。なんとなくエクストラ何とかのほうがよさそうですが、いったい何が違うのでしょうか。
意外に知られていないこの違いが今回のテーマです。基準や、味の違い、適した料理法、そして良いオイルの選び方についてご紹介します。
おすすめのオイルも紹介しますのでぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
エクストラバージンオリーブオイルとは?
そもそもどんなオイルなの?味は?
オリーブオイルは、オリーブの実から採れるオイルです。オリーブは地中海が原産とされていて、スペインやイタリアで栽培されています。日本では小豆島が有名です。その実は油分が多く、昔からオイルの原料とされてきました。
オイルといえばサラダ油のイメージが強い日本では、オイルは「無味無臭」であるというイメージがあるかも知れませんが、オリーブオイルは独特の味と香りのあるオイルです。
サラダ油は「精製」という工程を経て、脱臭、脱色、脱酸されているので原料である菜種や大豆の癖がなくなっているのですが、本物のバージンオリーブオイルはオリーブの果実をぎゅっと絞って濾しただけの、いわば「ジュース」。だから、オリーブ本来の味と香りがあるのです。
独特の青々しい香りとともに、その特徴である「辛味」と「苦味」を味わうことができます。
この辛味と苦味はオリーブに含まれるポリフェノールなどの抗酸化物質によるもの。体を老化させる酸化を防ぐ働きをしてくれるんですね。
オイルの味は、どのオイルも同じというわけではありません。それぞれによって辛味と苦味に程度があり、それはオリーブの果実の品種、産地、収穫時期、品種などによって変わってきます。
自分好みの味があるはずですから、自分に合うものをじっくりと探してみるのも楽しいかもしれませんね。
オリーブオイルの分類
オリーブオイルの分類には様々あります。エクストラバージンオリーブオイル、バージンオリーブオイル、オリーブオイル、ピュアオリーブオイル、精製オリーブオイル・・・など、いったいどれが良いのかよくわかりません。
実はこのいろいろな表記方法は、いろいろな団体の基準が混ざりあってしまった結果なのです。
日本のオリーブオイルの基準はJAS法という法律で決まっています。
日本の基準では、オリーブオイルは2種類しかありません。
1、オリーブオイル 酸価が2.0mg以下
2、精製オリーブオイル 酸価が0.6mg以下
ここで登場する「酸価」というのは、オイルがどのくらい酸化しているかという基準です。オリーブの実は収穫したその瞬間から劣化が始まります。なので、なるべく早く絞る必要があるのです。つまり、酸価」の数値が低いほど、新鮮で、酸化していない良い油だということになるのです。オリーブオイルには個性豊かな味や香りがありますので、酸化していない油がすなわちおいしい油だとは言い切れませんが、少なくとも新鮮なオリーブオイルであることは間違いありません。
日本の基準で、精製オリーブオイルとは、サラダ油と同じく、脱臭、脱色、脱酸されたオイルです。「オリーブオイル」には後で紹介しますが、最高級の「エクストラバージンオリーブオイルも含まれますし、精製オリーブオイルに他のオリーブオイルを加えて味付けしたものも含まれ、非常に幅広いオイルを指しています。このオリーブオイルをピュアオリーブオイルということが多いようです。ちなみに、この「ピュア」という言い方は日本独自のもの。ただの「オリーブオイル」より、「ピュアオリーブオイル」といったほうが良さそうだからこのネーミングになっているのではないかと私は勘ぐっています。(実際、混合オイルですのでピュア=純粋でもないですし。)
日本では上記のようになってますが、国際的には「IOC(国際オリーブオイル協会)」が定めた基準のほうが浸透しています。その基準は下記のようになっています。
1、エクストラバージンオリーブオイル 酸度が0.8%以下で、官能評価試験により味、風味の欠陥が無いもの。
2、バージンオリーブオイル 酸度が2%以下で、かつ官能評価試験により味、風味の欠陥が無いもの。
3、オーディナリーバージンオリーブオイル 酸度3.3%以下のもの
4、ランパンテバージンオリーブオイル 酸度3.3%を超えるもので、食品として販売するには精製が必要なもの。
オリーブの実を伝統的圧搾法や遠心分離機による抽出法などで得られたオイルがバージンオリーブオイル。つまり、科学的な手法を使用せず昔ながらの伝統的な方法で絞り出されたオイルです。
さらに、バージンオリーブオイルは「食用として利用するのに適しているもの」とそうでないものに分けられます。
そして「食用として利用するのに適している」バージンオリーブオイルの中でも最高峰の品質を誇るのがエクストラバージンオリーブオイルなのです。
ここで出てきます「酸度」は厳密には日本の基準の「酸価」とは異なりますが、同じく酸化の度合いを示しており、数値が低いほうが新鮮なオイルということになります。
官能試験というのは、人間が食べてみて、試験するということです。ざっくばらんに言ってしまうと味見ですね。科学的な数値だけではわからない部分を補う役目があります。
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他にもオリーブポマスオイルという表示も見かけます。ポマスとは、オリーブオイルを搾ったった搾りかすのこと。搾りかすからさらにオイルを抽出したものがオリーブポマスオイルです。搾りかすだけで作ったものと、他のバージンオリーブオイルと混ぜたものがあります。
以上から、スーパーなどでよく見る表示を、基準ごちゃまぜで分類するとこのようになります。ひとまずこれを覚えておけば、安心ですね!
1、エクストラバージンオリーブオイル
2、バージンオーブオイル
3、ピュアオリーブオイル(オリーブオイル)
それぞれのオイルに適した使い方
エクストラバージンオリーブオイル
エクストラバージンオリーブオイルは火を通さず「生で」使うのが最もおすすめです。エクストラバージンオリーブオイルは香りや風味が命。その特徴を生かすためにはやはり生で食べるのがおすすめ。
種類によって、香りや味の強さが異なり、苦味や辛味が強いもの、マイルドなものなど様々です。ですので、オリーブオイルの特徴に合わせて相性の良い食べ物と合わせるのがよいでしょう。癖の強い食材にはそれに負けない強いオイルを、繊細な味の食材には、マイルドなものを選ぶとよいでしょう。
ピュアオリーブオイル
次にエキストラバージン以外のオリーブオイルについてです。ピュアオリーブオイルと呼ばれるオリーブオイルは、脱酸、脱色、脱臭した精製オリーブオイルにバージオリーブオイルを混ぜて作ります。混ぜている、精製していると聞くと、イメージが悪いですが、実際は悪いことばかりではありません。(ちなみに、精製オリーブオイルは味は全くありません。)
ピュアオリーブオイルは、エクストラバージンのような強烈な個性がなく、逆に食べやすいとも言えます。とくにオリーブオイルに慣れていない人にとっては、癖の少ないほうが食べやすいかもしれません。また、精製されている分、熱安定性が高いので、ピュアオリーブオイルは加熱料理に使うのが一般的なようです。
偽物に要注意
さて、日本とIOCでオリーブオイルの基準が異なることはお分かりいただけたかと思いますが、ここで問題が発生します。日本で販売するオリーブオイルは、IOC基準の「エクストラバージンオリーブオイル」でなくても「エクストラバージンオリーブオイル」と表示をして販売することができてしまうのです。
つまり、日本でお店に並ぶエクストラバージンオリーブオイルがすべてIOCの基準を満たしたものであるとは限らないのです。
残念ながらその表示に対する罰則などは現在定められておらず、消費者にとっては、本物のエキストラバージンオリーブオイルを見分けることは簡単ではありません。
本物のエクストラバージンオリーブオイルを手に入れようという場合は、ブランドを確認する、価格があまりに安すぎるものは疑う、昔ながらの圧搾製法で作られているかどうか、専門店で購入するといったように、ある程度の労力をかける必要があるかもしれません。次は、そんな良いオリーブオイルの見分け方を見ていきましょう。
良質なオリーブオイルの選び方
では、本当に選ぶべき良質のオリーブオイルはどのように見分けたらいいのでしょうか?
1、遮光性のある容器に入っている
オリーブオイルに限らず、油脂性の食品は酸化しやすいのが特徴です。酸化とはオイルを長期保存した場合に起こる劣化現象。空気中の酸素や湿気、光などによって味や風味が劣化してしまうのです。
この酸化を少しでも避けるために、品質にこだわっているオリーブオイルは、光を通す透明なビンのものではなく、色の濃いビンや缶に入れてあります。ですので、そのような容器に入っているオリーブオイルは、品質に気を配っているといえるのです。
2、酸度が0.8以下のものを選ぶ
エクストラバージンオリーブオイルの本当の基準はIOCが定めている「酸度0.8%以下」です。酸度が低いほど新鮮であるということを示していますので、良質のものといえます。買い求める際にはこの部分を特にしっかりチェックしてくださいね。
3、コールドプレス(低温圧搾)製法で作られたものを選ぶ
コールドプレスとは30度以上の熱をかけずにオイルを圧搾する方法です。オイルは高温になると劣化が始まり、香りや鮮度が落ちていきます。コールドプレス製法では過熱処理をしないため、その香りや鮮度が高く保たれているのです。ぜひ、コールドプレスと表記されたものを選んでくださいね。
4、コンテストの受賞歴を見る
良質のオリーブオイルがほしい・・・・・・でもパッケージなどを見てもなかなか本質がわからないものです。
実は世界中でオリーブオイルのコンテストが多く開催されています。国際的なコンテストでの受賞履歴があればその品質が確かなものであるという証拠になります。
上位の賞を受賞したオリーブオイルは必ずといっていいほどそれを宣伝文句としていますので、どんなコンテストでどんな賞を取っているのかチェックしてみるといいでしょう。
5、ブランドを調べる
伝統のあるブランドは、品質を守っている可能性が高いでしょう。なぜなら、高いクオリティを保っていなければ、長い間ブランドを続けることができないからです。店頭だけの情報で判断せず、ホームページなどを調べて良いブランドを探してみましょう。
オススメのオリーブオイル
それでは、おすすめのオリーブオイルをご紹介しましょう。
オリーブオイルにはそれぞれ個性があり、香りが強い、苦味が強い、爽やかでくせがない、など、それぞれに特徴があります。好みや用途によって自分にぴったりのものを見つけてくださいね。
イタリアの本物のオリーブオイル「コラティーナ」
エキストラバージンオリーブオイルの酸度の基準はIOCが定める国際基準は0.8%以下でしたね。これに対し「コラティーナ」は驚異の0.2%。いかに新鮮かがわかります。昔ながらの製法にこだわりながらも、農場に張りめぐらされた散水設備、クリーンな工場内部など徹底した管理体制を確立している、素晴らしいオイルです。1本あたりに使われるオリーブの実はなんと約2,250個!このすべてがポリフェノール豊富な「早摘みオリーブ」。ピリッとスパイシーな本格的なイタリアの味が楽しめます。もちろん、品評会にて受賞歴もあり。日本最大のオリーブオイルコンテストOLIVE JAPANに初出品した2015年、2016年と金賞受賞。ミシュラン東京2016掲載イタリア料理店「リストランテ ラ・ブリアンツァ」にて採用されています。いまならモニターでこの本物のオリーブオイルが試せるようです。
チリ産はいかが?高級エクストラバージンオリーブオイル クルス・デル・スール
オリーブオイルと言えばスペインやイタリアなどの地中海産をイメージしますが、実はチリも有名な産地です。スペイン、イタリア、ギリシャの3カ国原種のブレンドは、チリ産でのみ見られる希少なブレンド。ウイスキーもブレンデットがあるように、オリーブオイルにもブレンドあるのです!ブレンド種は単一の品種から作ったオイルよりも、それぞれが欠点(ボディ感、アロマ、辛みなど)を補い合う為、バランスの取れた、完成度の高い味わいになります。
このクルス・デル・スールは収穫してから搾るまで、驚異の4時間。酸度は0.2%!酸化が進んでいないため、サラサラと油っぽくなく、オリーブの香りが高く、爽やかな味わいになります。またブレンドすることにより、加熱に強く、風味の落ちにくいため、生食はもちろん、料理にも幅広く使えます。
有機JAS認証エキストラバージンオリーブオイル ゾットペラ社
力強い香りと風味が特徴的なゾットペラ社のエクストラバージンオリーブオイル。
なんと酸度は0.18%以下。国際基準の0.8%をはるかに下回る低い酸度は高品質の証拠です。
苦味が少なくフルーティーな味わいとスパイシーさで有名な品種のオリーブが使われていて、その個性的な味わいは多くの食通を唸らせる味。
それもそのはず。ゾットペラ社は「オリーブジャパン国際エキストラヴァージンオリーブオイルコンテスト」で2013年に最優秀賞を受賞。その後も連続で金賞を受賞しているという、こだわりのオリーブオイルを作り続けているメーカーなのです。
JAS認証で、この濃厚・爽やかな味。なのにお値段はとてもリーズナブルですよ。
パンにそのままつけても、バルサミコ酢などと合わせてドレッシングにしてもグッド。シンプルな使い方でも本当においしくいただけます。
小豆島東洋オリーブ (早摘み)トレア小豆島産エキストラバージン・オリーブオイル136g
100%小豆島産オリーブを使って作られたオイル。早摘みの青い果実から作られるそのオイルは若草のような強い香りの中に若干の苦味があり、サラダやお肉、お魚料理はもちろんパンやパスタにもよく合います。
今までオリーブオイルをそれほど美味しいものと思わなかったけど、このオイルで初めて美味しさを堪能したという人も!
136gで4000円前後と価格は若干お高めですが、高級レストランで使われるほど良質なオリーブオイルなので期待通りの高品質な味を味わえますよ。
サルバーニョ エクストラバージンオリーブオイル
テレビや雑誌で紹介され、大変人気のあるこちらのオイル。有機栽培で作られたオリーブから作られているイタリア産のオイルです。
青みがかったグリーンがとてもきれい。エクストラバージンオリーブオイルには強い苦味や辛味があるものもあり、そういった味がお好みの方もいるでしょう。このオイルは逆で、さわやかで軽く、クセがないマイルドな味が特徴です。
また、オリーブオイルの国際コンクールでの優勝経験もあり、品質は間違いなし。なのに500mlで2000円前後とコストパフォーマンスがかなり良いんです。
バゲットに浸してそのまま味わうのもよし、にんにくとの相性もよいのでパスタに使ってもよし、どんなお料理にも合う万能なオイルです。長く愛用しているという人が多いのもうなずけますね。
Alcenero(アルチェネロ) 有機エキストラ・バージン・オリーブオイル ドルチェ
アルチェネロは100%オーガニックの商品を生産しているイタリアの会社です。3年以上化学肥料や農薬などに汚染されていない健康な土で作られているオリーブだから安心ですね。
そんなオリーブを極力熱を加えず、風味と香りがしっかり保たれるように作られているんです。
「ドルチェ」とは甘い・やわらかいという意味。香り、風味共にマイルドでクセがなく繊細な味わいのお料理にもよく合います。
ほのかな甘みとさわやかな香りで、エクストラバージンオリーブオイルが初めてという方にもぴったりです。
まとめ
いかがでしたか? 知れば知るほど奥が深いオリーブオイル。美容や健康によく、しかもおいしいとなれば毎日の食事に積極的に取り入れたくなります。
同じオリーブオイルでも製法、味、品質などによって種類は様々。オリーブオイルの特性をよく知って、自分にとって最適なものを選んでみてください。最近はインターネットのお取り寄せでも手軽に手に入れることができますし、専門的なお店もあります。デパートなどに行けば実際に商品を手にとって見ることもできますね。さっそくお気に入りのオリーブオイルを探してみましょう♪