和食のレシピによく登場する料理酒。どんな効果があるかわからないし、味もしないけどレシピに書いてあるから……という理由でなんとなく使っていませんか?
実は料理酒にはたくさんの良い効果があり、和食にとってなくてはならない調味料なのです。
今回は料理酒の効果について、有名なものから意外と知られていないものまで紹介してゆきます。日本の伝統的な調味料には過去の人の知恵が沢山つまっています。知っておいて損はありません!
この記事の目次
1、くさみをとる
料理酒には酒という文字通り、アルコールが入っています。このアルコールには魚や肉などの素材のくさみをとる効果があります。
この方法で最もよく使われるのが「煮る」方法です。他の調味料や水と一緒に加え、食材と一緒に熱することで、アルコールと一緒にくさみをとばします。
肉や魚を焼く前に振りかけたり、酒の入った調味液に付け込む方法もあります。
肉料理、魚料理で最も活躍しますが、他の食材にも臭みをとる効果は使えます。冷凍ごはんを解凍するときに少しふと冷凍のにおいや容器のにおいもとれて、ふっくらご飯が復活したり、インスタントラーメンに加えると、油のくさみをとってくれます。
2、やわらかくする
料理酒を加えて煮たり、蒸したり、漬け込んで焼いたりすると、素材がやわらかくなります。
料理酒には保水効果があるため、肉や魚の中の水分を保つことができます。
肉や魚などが「パサパサ」してしまうのは水分が抜けているためで、これを料理酒が防ぐことによって「ジューシー」な仕上がりになるのです。
3、甘味をつける
料理酒はお酒ですから、お米から作られています。お米は糖でできていますので、料理酒も甘味を含んでいます。
その甘みは砂糖やみりんなどよりもさっぱりと上品で、和食などで繊細な甘味が必要なときは料理酒のみを使うこともあります。
煮物などのように過熱してアルコールを飛ばして甘味のみを残しましょう。
もし過熱しない料理に甘味を生かしたい場合は、酒を鍋で加熱した「煮切(にきり)」を使います。過熱でアルコールが飛び、甘味だけが残ります。
ただ、「料理酒」の中には食塩を含んでいるものがありますので、注意が必要です。繊細な甘味を加える目的ならば、食塩の含んでいないものを選びましょう。
4、コク・うまみをつける
うまみ成分といえばアミノ酸です。有名なグルタミン酸もアミノ酸の仲間です。日本酒にはワインの2倍、ビールの約2倍もアミノ酸が含まれています。それを料理に使えば、うまみがUPし、料理に深みが出ます。
日本人は古くからお酒を料理に活用してきました。味付けの基本「さしすせそ」の「さ」は、本来は砂糖のさではなく、酒のさだという説もあるほどです。日本は本来「うまみ」に敏感だといいますから、日本酒を料理に使ってきたことは納得できますね。
5、味付けがやわらかくなる
料理酒の成分が、酸味や塩味をまろやかにしてくれます。酢の物や漬物、和え物などに使えば、とがった味が丸くなります。
この効果を利用すれば、出来上がった料理の修正にも使うことができます。酢のものを作ったけど酢がとがりすぎてしまった、和え物の生姜が効きすぎてしまった、そんなときに活用できます。加熱しない料理に使う場合は前途の煮切りを使ってください。
6、良い香りをつける
香りをつけるのも、料理酒の大切な役目です。酒蒸しなどの料理が代表的ですが、日本酒の豊かな香りが料理を引き立ててくれます。逆に、料理酒を使いたいけど香りが苦手、という場合は、料理酒を入れるタイミングを早めたり、加熱時間を多くしたりすれば香りの強さを調整することができます。
7、味がしみ込みやすくなる
料理酒に含まれるアルコール成分には、他の調味料が素材に吸収されるのを助ける効果があります。煮物のレシピに料理酒が必ず入っているのはこのためです。
この効果を応用すると、浅漬けなどにも活用できます。きゅうりの浅漬けの場合、塩と一緒にお酒を振っておくと、通常の半分の量の塩でも十分な味がつきます。
8、おいしさを閉じ込める(煮崩れしにくくなる)
イモや野菜は水と一緒に加熱すると、栄養成分が溶け出してしまいます。お酒はそれを防いで、煮崩れも防いでくれます。実は煮崩れしている状態は、見た目に悪いというだけでなく、栄養分も溶け出してしまっている状態です。料理酒ならばそれを簡単に防ぐことができます。
9、焼き色をよくする
砂糖は熱すると、茶色くなる性質があります。料理酒に含まれる糖分も、同じように、熱すると茶色くなります。この効果を利用すると、焼きものの焼き色を良くすることができます。例えば魚を焼くときに、塩をした後にお酒を塗って焼くと、黄金色のパリッとした焼き上がりになり、香ばしさも増します。
他にも、脂肪分の多い鳥もも肉を普通に焼くと、脂肪分が溶け出してしまい、なかなか焼き色がつきません。しかし、料理酒を使えば簡単にきれいな焼き色を付けることができます。
10、保存性を高くする
食品が腐ったり悪くなるということは雑菌やバクテリアが増えることです。これをお酒のアルコール成分が抑えてくれます。アルコールに除菌効果があるのは有名ですね。この効果は料理にも有効です。
料理酒を活用して美味しい料理を
料理酒は簡単に使えて沢山の良い効果を発揮してくれる調味料です。料理酒のうまく活用して、料理の腕をワンランクアップしてください!