白砂糖より黒砂糖の方が健康に良い?その効果とは?
料理やお菓子作りに欠かせない砂糖。普段どんな砂糖を使っていますか?
砂糖にはたくさんの種類があります。今回は砂糖の中でも健康イメージのある、「黒砂糖」にスポットを当ててみました。どうして健康に良いとされているんでしょうか? その効果をご紹介します!
この記事の目次
砂糖は何から出来ているの?
砂糖には黒砂糖から三温糖、グラニュー糖などやいろいろな種類がありますが、原材料は主に2種類しかありません。まず一つは誰でも知っている「サトウキビ」です。
もうひとつの材料はテンサイ(サトウダイコン)です。テンサイ糖という名前の商品もあるので知っている人もいるかもしれません。一般的な砂糖はこの2種類が主流で、製法などによってさらに細かく種類が分かれるのです。
あまり一般的ではありませんが、他にも砂糖の原材料はあります。
パームシュガーはその一つ。その名の通り、椰子から出来ています。オウギヤシと言う椰子の木の樹液が原料になります。この樹液は発酵させ、お酒にもなります。
それから、ホットケーキに使うことが多いメープルシロップ。これも砂糖の仲間で、サトウカエデという楓の木の樹液を使用しています。木に穴を開け、樹液を採取し、煮詰めて凝縮します。メープルシロップを更に煮詰め、固形になったものをメープルシュガーと呼びます。
日本ではあまり聞きなれませんが、ソルガムシュガーという砂糖もあります。シロップやバイオエタノールの原料として使われます。アメリカを中心に栽培されているサトウトウモロコシを原料としています。アメリカだけでなく、日本での栽培もされています。しかし、調味料とするには結晶化が困難で、多く採取できないのであまり見かけることはありません。
砂糖はどうやって作っているの?
サトウキビの砂糖と、テンサイの砂糖、その作り方を見てみましょう。
サトウキビが原料の砂糖は、サトウキビの幹を砕いて、汁を搾り出し、不純物を取り除いてから上澄み液を煮詰めて作ります。現代では化学的な方法で砂糖が作られます。
ちなみに昔は牡蠣灰と呼ばれる牡蠣の殻を使用して作っていました。牡蠣灰を使って糖蜜と呼ばれる液体と結晶に分け、不純物の除去して結晶化した砂糖を採取していました。
では、テンサイを使った砂糖はどうでしょうか。
テンサイと呼ばれるサトウダイコンの根を千切りにして、温水に浸すことで糖分を溶かし出します。その糖分の出た液体を煮詰めて濾過し、真空の状態で糖液を濃縮し、遠心分離機にかけ取れた結晶が砂糖となります。
白砂糖と黒砂糖の違い
砂糖の白と黒の違いは何なのでしょうか? 黒砂糖の原料は白砂糖と同じくサトウキビです。それなのにどうして白と黒の違いが生まれるのでしょうか?
その差は製法にあります。白砂糖も黒砂糖もまずはサトウキビを機械に入れて圧縮して汁を搾り取ります。
白砂糖の場合は、この汁から沢山の工程を経て不純物を取り除きますが、黒砂糖の場合は、不純物を取り除かずに煮詰めて固めます。
黒砂糖は砂糖の分類的に、「含蜜糖」と言います。白砂糖を作るときは取り除いてしまう「糖蜜」というミネラルの成分を含んだ黒っぽい糖液がそのまま入っているからです。
ことで、白砂糖では除去されているミネラル等が残っている状態なんです。
含まれているのが純粋な糖分だけではないので、白砂糖に比べ黒砂糖は糖度が低く、大体80〜85度と言われています。
黒砂糖は独特の香りと甘み、そして深いコクが特徴で、そのまま食べる場合もありますね。
ミネラルを取り除かない製法で、身体に良いとされるミネラル分を残したままの砂糖が黒砂糖なのです。
黒砂糖のいろいろな種類
黒糖、マスコヴァド、大島糖など、黒砂糖の中にも種類があります。
過去には「黒糖」という表示が問題になったことがありました。
以前は糖蜜などを再利用して作られた、現在で言う「加工黒糖」も黒糖と名乗っていたのですが、現在ではサトウキビから搾り取った汁のみを使っているものを黒糖とし、粗糖や糖蜜を混ぜ合わせたものは加工黒糖という表示に変わりました。
黒糖を買うときには、原材料の表示が「サトウキビ」のみのものを選ぶようにして下さいね!
また、「ブラウンシュガー」と呼ばれる茶色の砂糖もあり、混同してしまいそうです。
これも黒砂糖と呼ばれることがありますが、ブランシュガーは「茶色である」というくらいで明確な分類はありません。少しだけ糖蜜を残して作られた砂糖「三温糖」も茶色ですし、粉にした黒砂糖も茶色です。黒砂糖だったら風味がありますし、三温糖はありません。料理に使ったりする場合は、どんな砂糖なのか確認が必要ですね。
黒砂糖が健康に良いとされる理由
このように黒砂糖はミネラルを含んでいます。具体的には、カリウム、鉄、カルシウム、亜鉛、マグネシウムなどを含んでいます。
黒砂糖が健康に良いとされるのは、白砂糖にはないミネラルが残っているからなのです。
その効能を少し見ていきましょう。
・ 整腸作用がある。
・ 美肌効果がある。
・ 血糖値の上昇を抑える。
・ コレステロール値を低下させる。
・ ダイエット効果を期待できる。
・ 疲労回復に役立つ。
・ 肝機能向上に役立つ。
・ アトピーにも効果を期待できる。
・ 血圧を安定させる働きがある。
・ 歯や骨を丈夫にする。
整腸効果や美肌効果は女性には嬉しい作用。これは黒糖に含まれる天然のオリゴ糖(ラフィノース)がその役割を果たしています。
ラフィノースは大腸まで届き、ビフィズス菌を活性化すると言われています。
腸は健康をつかさどる大事な臓器。腸を活性化することで、整腸や美肌、ダイエットや免疫力アップに繋がるのです。また、免疫力をアップさせることで、アトピーなどの慢性疾患にも効果が期待できると言われています。
キュウリなどにも多く含まれているカリウムは、ナトリウムの排出に欠かせない成分です。外食の多い現代の食生活では、塩分を過剰に摂取してしまいがち。知らないうちに塩分を多く摂取してしまった時もカリウムが排出してくれます。
塩分を下げてくれますので、血圧の低下にも役立ちます。
また、人間の神経や筋肉を正常に保ってくれるという効果もあるので、意識して摂取したいミネラルの1つです。
骨や歯を丈夫にするカルシウムも多く含んでいます。
砂糖には良いことが他いっぱいですね。
また、黒砂糖は白砂糖よりも疲労回復にはオススメの糖分です。
身体の疲労回復はもちろんのこと、仕事や勉強で頭を使って脳が疲れているときにも最適です。
脳の栄養素はブドウ糖で、普通に生活していても、1日120g程度は必要と言われています。黒砂糖は白砂糖に比べ成分構造がブドウ糖に近いため吸収率が高いのです。
黒砂糖のカロリーと疲労回復
黒砂糖のカロリーは白砂糖の8割程度。少量でも満腹感が得られ、腹持ちも良いとされています。とはいえ、黒砂糖も砂糖には変わりありません。過剰摂取には気をつけましょう。
肥満の抑制にも?!
最近の琉球大学の研究は、サトウキビの表面についている成分「オクタコサノール」が黒砂糖には多く残っていることが解りました。
オクタコサノールは中性脂肪やコレステロールを低下させると言う注目の成分で、肥満の抑制にも繋がります。砂糖なのに肥満の抑制なんて、ちょっと砂糖に対する概念が変わりますよね。
黒砂糖はどこで買えるの?
黒砂糖はどこで買えるのでしょうか。品ぞろえの良いスーパーには売っていますが、一般的なスーパーでは売っていないこともあります。オススメなのは、自然食品などを扱うスーパーです。
黒砂糖は健康を気にしている人に需要が高いため、自然食品を多く取り扱うスーパーには種類も多く取り扱われています。
こだわりの黒砂糖を手にしたいという人は、インターネットでのショッピングもオススメ。
口コミや詳しい製造方法が書かれていて、どんな黒砂糖を使ったらいいか迷っている人にはわかりやすいですね。
料理に砂糖を使うなら、黒砂糖にしませんか?
料理を作るときに白砂糖ではなく黒砂糖を使用すれば、食材だけでなく調味料からもミネラルの成分を補給することが可能になります。 サトウキビ由来のミネラルなら身体にもやさしく、安心です。黒砂糖を使うときは原料がサトウキビのみの表記の商品を選んでみてくださいね。