料理に欠かせない調味料のひとつに料理酒があります。普段何気なく使っている「料理酒」ですが、「日本酒」と同じものだと思っている人が多いのではないでしょうか。実は、料理酒=日本酒ではありません。料理酒と日本酒の違いを知って、適切な酒を使えば、いつもの料理がさらに美味しくすることができます。今回は料理酒と日本酒の違いや使い方のコツ、おすすめの料理酒をご紹介していきましょう。
この記事の目次
- 1 料理酒の役割とは?
- 2 日本酒も種類がある
- 3 おすすめの料理酒おすすめ11選
- 3.1 1、タカラ「料理のための清酒」1,000ml/640円〜
- 3.2 2、サンフーズ「新潟住之井 純米料理酒」720ml/600円〜
- 3.3 3、米田酒造「出雲地伝酒」1,800ml/1,728円〜
- 3.4 4、花美蔵「純米料理酒」720ml/669円〜
- 3.5 5、大木代吉本店「こんにちは料理酒」720ml/880円〜
- 3.6 6、瑞鷹「東肥赤酒 料理用」 1,800ml/1,200円〜
- 3.7 7、ムソー「みやこの料理酒」500ml/650円〜
- 3.8 8、千代寿「純米料理酒「千代之味」」720ml/855円〜
- 3.9 9、加賀の井酒造「純米料理酒」720ml/1,980円〜
- 3.10 10、金寳自然酒「旬味」720ml/1,080円〜
- 3.11 11、富久錦「純米料理酒」500ml/967円〜
- 4 料理や好みにあった日本酒を選ぼう
料理酒の役割とは?
レシピに入っているからという理由で何となく使っている「酒」ですが、実は料理にこんな良い効果をもたらします。臭みをとるイメージがあると思いますが、他にも素材を柔らかくしたり、うまみを引き出したりと見えないところで活躍しています。
①アルコールの力で、肉や魚の臭みをとる
②素材に水分を含ませ柔らかくする
③自然な甘味をつける
④コクとうまみをつける
⑤とがった味をまるくする
⑥上品な香りづけに
⑦味のしみ込みを良くする
⑧美味しさや栄養分を閉じ込める
⑨焼き色を良くする
⑩保存性を高める
お酒は味を付けるわけではありませんので、目立たない調味料ですが、料理の屋台骨を支える欠かすことのできない存在なのです。
日本酒と料理酒の違いとは?
市販の「料理酒」ですが、日本酒と同じものだと思っている人が多いと思います。実は「料理酒」は日本酒とは異なるものです。日本酒と料理酒の詳しい違いについて見てみましょう。
■料理酒には塩が入っている
日本酒はそのまま飲めますが、料理酒は飲めません。なぜなら、塩を添加しているからです。料理酒の塩分は2〜3%あり、海水の3%とほぼ一緒。実際に料理酒をなめてみると塩辛く、とても飲めたものではありません。
それもそのはず、そもそも飲めないための処理「不可飲処置」がされているのが料理酒だからです。
料理酒に食塩を添加している理由は酒税法にあります。通常、私たちが飲む日本酒には酒税という税金がかかっています。アルコール度数が15度の場合、1升あたりの酒税は216円です。
酒税が調味料にかかると、料理酒の値段が上がってしまい、売れなくなってしまいます。法律上、飲むためのお酒でなければアルコールを含んでいても課税対象にはなりませんから、食塩を添加して塩辛くしたものを料理酒として販売するという方法が考えだされたのです。
とはいえ、料理酒は料理専用のお酒。塩分量を考えて味付けをすればなにも問題はありません。
■使い方の違い
料理酒と日本酒、それぞれの特徴を知れば、使い分けも可能です。料理酒はレシピの食塩の量を調整することで、煮物や炒め者に気軽に使えるのがメリットでしょう。一方、日本酒は風味が特徴のため、シンプルな調理法であればあるほど効果を発揮します。また、塩分があまり欲しくない料理に向きます。
料理店では、アク抜きや下茹でなど大量に使用する場面では料理酒、味付けのときは日本酒と使い分けているところもあります。
■値段の違い
一般的にスーパーで売られている料理酒は、1,000mlで100〜200円台で手に入れることができます。一方、スーパーで手に入りやすい料理向きの日本酒に「タカラ 料理のための清酒」がありますが、こちらは1,000mlで600円台とおよそ5〜6倍。値段だけを見れば圧倒的に料理酒の方が安いのです。 この選択は究極には個人の好みになるでしょう。
日本酒も種類がある
一般的に日本酒と呼ばれているのは「清酒」に分類されます。ここからさらに精米の度合い・醸造の違いによって何種類かに分けられるのですが、料理に向くものとそうでないものがあります。
・純米酒
純米酒はその名の通り、米の風味を味わえるお酒です。原料は米、塩こうじ、水のみ。良質な米が使われます。
・本醸造酒
3割以上を精白した米を使用し、醸造アルコールを使用して作ったお酒。醸造アルコールはサトウキビの糖蜜が原料で、これを蒸留させて作った無味無臭のアルコールのこと。醸造アルコールを使うことですっきりとした味わいになるのが特徴です。
・吟醸酒
4割以上を精白した米を使用した高級なお酒。その中でも5割以上を精白したものを「大吟醸」、醸造アルコールを使わないものを「純米大吟醸」と区別します。
日本酒は精白度合いが多いほうが雑味が消え、香りも値段も高くなります。しかし、料理に使う場合は精白度合いが低く雑味が残っているほうが向いています。米粒の表面が削られることで、コハク酸などのうまみ成分がなくなってしまっているからです。つまり料理に使うのにおすすめなのは「純米酒」です。
最近ではスーパーで1,800mlの紙パックで売られている清酒を利用するという人も増えています。精白率は上がるものの、入手のしやすさと値段の折り合い度合いからすると選択肢としては悪くないかもしれません。
おすすめの料理酒おすすめ11選
それでは、おすすめの料理酒をご紹介します。スーパーで手に入りやすいメーカーから、全国各地の酒造で作ったこだわりの一品まで網羅しています。
1、タカラ「料理のための清酒」1,000ml/640円〜
肉や魚の生臭さを抑える有機酸や、うまみのもととなるアミノ酸が豊富に含まれています。調味料の大手メーカーだけあって、紙バック、ペットボトル、パウチタイプと種類・サイズともに豊富なのが特徴で、スーパーで手に入りやすいのも魅力です。
2、サンフーズ「新潟住之井 純米料理酒」720ml/600円〜
新潟県の住之井酒造で作られている料理酒。黄金色をした純米料理酒で、食塩を少量使用しています。アマゾンで購入可能です。
3、米田酒造「出雲地伝酒」1,800ml/1,728円〜
島根県にある米田酒造で作られている料理酒。出雲地域では昔から地元の料理に使われてきた身近な存在で、特に肉や魚の生臭さをとる効果があります。もち米をふんだんに使い、熟成に3ヶ月もかけるというこだわりの品です。製造元オンラインショップで購入できます。
4、花美蔵「純米料理酒」720ml/669円〜
岐阜県にある白扇酒造が製造。岐阜県産の「ひだほまれ」を原料とし、伝統の「もち米四段仕込み」で作られたこだわりの料理酒です。製造元オンラインショップで購入できます。
5、大木代吉本店「こんにちは料理酒」720ml/880円〜
福島県で慶応元年創業の大木大吉本店。蔵元独自の醸造・熟成で、琥珀色をしたとろみのある独特の料理酒に仕上がっています。安かろう悪かろうの料理酒のイメージを打ち破った、最初の料理酒だと言われています。アマゾン・製造元オンラインショップで購入できます。
6、瑞鷹「東肥赤酒 料理用」 1,800ml/1,200円〜
「灰汁持酒」という、日本古来の技術で作られている赤酒。もともと地元熊本の特産であり、昔から主婦の間で料理に愛用されてきました。その良さが口コミで広まり、プロの料理人のアドバイスを受けて料理酒へとアレンジされたのがこの商品です。そのため業務用サイズも販売されています。アマゾン・製造元オンラインショップで購入できます。
7、ムソー「みやこの料理酒」500ml/650円〜
ムソーはオーガニックやマクロビ対応の食品を製造販売している会社です。みやこの料理酒は酒蔵に適した米「五百万石」を使用した純米酒。比較的手頃な価格が魅力です。アマゾンや自然食品店で購入できます。
8、千代寿「純米料理酒「千代之味」」720ml/855円〜
山形にある酒造で、地元山形の料理を活かすための料理酒を、と4年の歳月をかけて作られました。煮物をおいしく仕上げる原酒タイプとなっています。山形県産「はえぬき」を使用しています。製造元オンラインショップで購入できます。
9、加賀の井酒造「純米料理酒」720ml/1,980円〜
加賀の井酒造は、新潟で硬水を使ってお酒を作っている珍しい酒蔵です。日本酒のプロが仕上げたこだわりの純米酒には、アミノ酸が通常のお酒の3.5倍含まれており、料理に強いうまみとコクをプラスしてくれます。製造元オンラインショップで購入することができます。
10、金寳自然酒「旬味」720ml/1,080円〜
「食べる日本酒」と称され、通常の料理酒の1/3の使用量で充分な効果を発揮します。これは17度という高いアルコール度数に素材の味を引き出す効果があることと、アミノ酸が通常の約8倍含まれていて強いうまみを持っているためです。農薬と化学肥料米を使わないお米が原料なので安心して使えます。製造元オンラインショップで購入可能です。
11、富久錦「純米料理酒」500ml/967円〜
富久錦は兵庫県で地米酒造りにこだわる酒造です。播磨平野で栽培された加西産の「キヌヒカリ」を厳選使用し、お米のうまみを最大限生かして作られています。市販の料理酒の半量で充分な効果を発揮するのでコスパも抜群。料理の早い段階で加えることで、素材のうまみを引き出してくれます。アマゾンで購入可能です。
料理や好みにあった日本酒を選ぼう
料理酒と日本酒にはさまざまな違いがあり、それぞれに異なった特徴を持っています。それを理解した上で選んでみましょう。料理の美味しさを引き出す本格料理酒は、全国各地の酒蔵やメーカーから販売されていますので、ぜひ、自分の好みに合うものを探してみましょう。