お好み焼粉にダニ?!粉末調味料の保存方法と賞味期限
家庭で使っている小麦粉や片栗粉、お好み焼き粉などの粉末調味料。そのままキッチンの棚や収納庫に保存していませんか?実は粉末調味料の保存方法を間違えると、ダニが発生する危険があるんです!キッチンにダニが出るなんてイメージないですよね。
しかし、そのまま放っておくとダニに気づかず、食べてしまうなんてことも! 想像しただけで恐ろしいですよね。
また、粉末調味料の賞味期限を気にせずに使っている人も要注意です!粉末調味料の正しい保存方法や賞味期限を紹介するので、ぜひ、ぜひ、参考にしてくださいね。
この記事の目次
ダニが繁殖しやすい条件は?
ダニが粉末調味料に繁殖しやすいのはなぜなのでしょうか? ダニは、居心地のいい場所に集まってきます。その条件が揃っているのが、常温保存している粉末調味料の中なんです。なぜ常温保存の粉末調味料がダニにとって繁殖しやすい場所なのでしょうか。
1.粉末調味料はダニのエサになりやすい
家庭の中に生息しているダニは、いろいろなものをエサにしています。ヒョウダニやコナダニなどの雑食性のダニは、人間のフケや垢、汗、カビやお菓子のカスなど基本的にどんなものでも栄養にして食べてしまいます。
粉末調味料もダニの大好きなエサのひとつで、特にでんぷんやうま味調味料などが含まれている粉末調味料を好んで食べます。雑食性のダニを食べる捕食性のダニもいるので、一度ダニが繁殖した場所には、どんどんと他のダニも集まって増えてしまうんですね!怖い!
2.湿度や温度がダニの繁殖に適している
ダニは温度が25〜30℃、湿度が60〜80%の環境を好んで発生するため、適度な温度と湿気の揃っているキッチンは、ダニにとって繁殖しやすい場所になります。特に6月〜8月まではダニが繁殖しやすい季節なので注意が必要です。
粉末調味料だけでなく、砂糖やチョコレート、パン粉などさまざまな食品を好むダニもいます。一度繁殖してしまうと1〜2日で大量に増えてしまうので、食品をダメにしないためにも、なるべく高温多湿にならないような環境作りをしましょう。
3.ダニは潜れて繁殖しやすい場所に集まる
ダニの生息している場所というと、畳やカーペットなどを思い浮かべます。ダニは卵を産んで繁殖することから、狭くて潜りやすい場所を好みます。ダニにとって粉末調味料はエサになるのと同時に、潜りこみやすい場所なので、繁殖場所としても条件が揃っているんですね。
開封後の粉末調味料を保存する時に、直射日光を避けようとシンクの下などに保存することがありますが、シンクの下は湿気がこもりやすく、ダニの繁殖条件が揃っている場所です。ダニを避けるつもりが反対に繁殖しやすい場所に保管してしまう、なんてことになってしまいます。
ダニが発生しやすい粉末調味料はミックス粉!
ダニが発生しやすい粉末調味料は、お好み焼き粉やホットケーキミックスなどのミックス粉だといわれています。薄力粉とお好み焼き粉にダニを混入して、ダニの繁殖率を調べる研究がありましたが、その研究結果でも、お好み焼き粉の方がダニの増加傾向が高いと認められています。
小麦粉や片栗粉などもダニが繁殖する可能性がありますが、ダニがミックス粉を好むのは、含まれているアミノ酸類をエサにしているのではないかと推測されています。他にもアミノ酸類を含んでいる鰹節や昆布、干しえびなどうま味のある食品は、ダニが繁殖しやすい危険があるでしょう。
ダニの侵入を防ぐのは難しい…
ダニは体の大きさが0.3〜0.5mmと小さいため、開封した袋に侵入するのは簡単です。しっかりと袋を閉じているつもりでも、少しの隙間があれば侵入されてしまう危険があります。粉末調味料を保存する時に、輪ゴムやクリップなどで留めたり、袋の口を折り曲げるだけだということもありますが、それではダニの侵入を防ぐことはできません。
ジップロックや瓶で保存している場合も、周りに粉がついた状態で保存していると、その粉に発生したダニが、袋を開けた時に袋の中に侵入してしまうこともあります。どこに発生しているかわからないダニの侵入を防ぐには、事前にしっかりと保存することが大切です。
加熱してもダニのアレルギー予防には効果なし!
粉末調味料は加熱して使うため、ダニも死滅するから大丈夫だと思うかもしれません。しかし、ダニの中には熱に強い種類もいるため、加熱したとしても全てのダニが完全に死滅するわけではないのです。さらに、生きたダニだけではなく、ダニの死骸やフンの問題もあります。アレルギーが起きるのは、ダニの死骸やフンが原因になっていることが多くあるそうです。加熱をしてもアレルギーの予防には効果はないので、しっかりと繁殖を予防しましょう。
アレルギー症状の怖さ!
粉末調味料に発生しているダニを誤って摂取してしまうと、怖いことになってしまいそうです。そもそもそんな事態を避けたいところです。
アレルギーの原因として名高いダニですが、どんな症状があるのか、一応チェックしておきましょう。もちろん、ダニを食べてしまったからと言って、直ちにアレルギーになるわけではありませんし、量や程度の問題もあります。なので、あくまで一般的なダニアレルギーについて、見てみましょう。
ちなみに、アレルギーというのは怖いもので、今までアレルギーでなかった人が突然アレルギー体質になってしまうこともあります。コップに水を注いでいくと、ある時点でこぼれてしまいますよね。アレルギーもちょうど同じように、あふれた時点で発症するものだとよく例えられます。アレルゲンとの接触には気をつけたいところです。
1.じんましん、赤みなどの皮膚症状
ダニによるアレルギー性皮膚炎が起こると皮膚にぽつぽつとした赤みが出たり、かゆみやじんましんが出ることがあります。目のかゆみがあるときは、アレルギー性の結膜炎になっている可能性もあります。かゆみがある時には、無意識に掻きむしってしまうことがありますが、掻いてはいけません。掻かずに適切な処置をしましょう。
2.咳、くしゃみなどの呼吸器系症状
ダニのアレルギー症状で、風邪や花粉症などと似たような症状が起こることもあります。アレルギー性鼻炎になると、咳やくしゃみ、鼻水などの症状が現れます。
3.下痢、腹痛などの消化器系症状
ダニによるアレルギー反応によって、腹痛や下痢など食中毒に似た症状が現れることもあるようです。
4.重篤な場合、命の危険も…
ダニのアレルギー症状がひどい時には、急激に血圧が低下し、意識低下が起こることがあります。アレルギー反応が全身に起こり、重症がすることをアナフィラキーショックといいます。症状が出るまでの時間が短いほど、重症になる危険性があるので、アナフィラキーショックが起きた時には、様子を見ずにすぐに救急車を呼びましょう。
実際に食べてしまった事例
粉製品に混入したダニを食べてアナフィラキシーになった例は、1993年に初めて報告されています。以来、国内外で数多く報告されています。
症状は上記の通り、皮膚症状と呼吸困難が主ですが、意識低下やショックなど全身に及ぶ症状がみられたことも。接種から1時間以内にこのような書状が起こることがほとんどですので、1時間以内に体に何かの異常が起きた場合は、ダニを疑う必要があるかもしれません。
ただ、共通しているのは、開封してから数か月から数年経ったものを食べていたということ。早めに食べれば問題なさそうです。
ダニが繁殖しているか見分ける方法
お好み焼粉などの粉末調味料が常温保存してあり、開封後長い期間が経っている場合は、すでにダニが繁殖しているかもしれません。ダニは目で確認するのが難しいほど小さく、半透明や白い体をしているので、粉末調味料に繁殖していても気づかないこともあります。ちなみに、想像するだけで恐ろしいですが、大量に繁殖している場合には、粉がモゾモゾとうごめいているように見えることがあるそうです!恐怖!
粉末調味料の正しい保存方法
粉末調味料にダニを繁殖させないためには、正しい方法で保存することがいちばんです。正しい保存をしていなく、長い時間が経っている粉末調味料がある場合は、ダニが繁殖している危険があるので、もったいないかもしれませんが捨てたほうがいいかもしれません。今までの保存方法を見直し、ダニの被害を受けないように気をつけていきましょう。
1.冷蔵庫で保存する
まずは常温保存ではなく、冷蔵庫で保存することが大切です。ダニは温度20℃以下、湿度50%以下になると繁殖ができなくなり、湿度が40%以下になると死滅します。粉末調味料は、直射日光を避けて、高温多湿の場所に保存するのが適していますが、家庭内で一定の温度や湿度で保存するのはなかなか難しいもの。
家庭内で常に温度が20℃以下に保てる場所は冷蔵庫なので、ダニの繁殖を防ぐにはぴったりの場所です。ただし、粉末調味料を冷蔵庫で保存すると、他の食品のニオイが移ったり、湿気によってカビが発生することがあるので、保存容器に気をつけなければいけません。
2.密閉容器に入れて保存をする
ダニの発生を防ぐには、開封した粉末調味料は必ず密閉容器に入れて保存しましょう。粉末調味料はダニ以外の虫も侵入しやすいので、虫を寄せ付けないためにも密閉することが大切です。密閉容器に入れることで、冷蔵庫に保存した時にも、食品のニオイ移りを防止することができます。
冷蔵庫保存で中止すべきは湿気です。小さな密閉容器やジップロックに粉末調味料を入れて、一回り大きな密閉容器に乾燥剤や脱酸素剤を入れて二重にして保存すると最強です。なかなかそこまでは実施できないとは思いますが、ダニだけでなくカビの発生を防げるので粉末調味料の劣化を防ぐ効果もあり一石二鳥です。
3.小分けにして保存をする
粉末調味料を使う時には、小分けにしておくと、開け閉めが少なくて済むので、保存状態のいいものを常に使うことができます。容量の多い粉末調味料を買った時には、使いやすい分量ごとに保存袋などに分けてから、密閉容器に入れて保存しておきましょう。
また、割高にはなりますが、もともと小分けにされているものや、使い切りできる小さいサイズのものを買うようにすると、ダニの発生を防ぐことができます。
4.開封したものは早めに使い切り、賞味期限を守る
未開封のものでも、賞味期限が過ぎたものは使わないようにしましょう。また、賞味期限に関わらず、開封した粉末調味料は早めに使い切ることが大事です。密閉容器に入れて、冷蔵庫に保存してあるものでも、一度開けたものは時間の経過とともに劣化していきます。
薄力粉やミックス粉の賞味期限は、大体6ヵ月〜1年程度になっていますが、賞味期限は開封していない状態で味が保たれる期限ですから、消費期限とは異なります。小麦粉などの粉末調味料はそれぞれ消費期限が違いますが、開封したものは1〜2ヵ月を目安に使い切るといいですね。開封した日を忘れないように、保存している容器や袋に書いておくのもおすすめです。
ダニを繁殖させないためできること
すでに使っている粉末調味料や食品にダニが繁殖している可能性がある場合は、使用するのをやめて捨てておきましょう。保存していた棚やキッチンを掃除機で吸い取ったあと、水拭きして乾燥させ、ダニを退治しましょう。ダニは乾燥が苦手です。アルコール除菌することもおすすめします。ダニを繁殖させないためにも、換気をしたり、除湿機などでキッチンの湿気を取り除くことも必要です。
食品を保存している棚や収納庫なども、定期的に扉を開けて換気しましょう。ダニ取りシートを置いたり、除湿剤をキッチンに置いておくのも効果的です。カビがある場所にはダニも発生しやすいので、カビ対策をすることもダニを防ぐ効果がありますよ。
キッチンを清潔に保つように心がけるだけで、ダニのエサを減らすことができるので、常にきれいなキッチン保つように意識するといいですね。
ダニの発生を防いで美味しい料理作りを!
いかがでしたか?ダニの繁殖条件やアレルギー症状を知って怖くなった人もいるかもしれません。使っている粉末調味料にダニが繁殖しているかと思うと、夜も眠れませんよね。
しかし、正しく保存をしていれば、ダニの繁殖は防げるものですから、余った粉末調味料はそのまま常温で置いておかずに、正しい保存方法でしっかりと保存するようにしましょう。
ダニの発生に注意することは、おいしい食事をすることと、家族の健康を守ることにつながります。アレルギ−症状に苦しまないためにも、正しい保存方法を実践して、健康被害を受けないようにしたいですね。