どんな種類があるの?中華料理の調味料と香辛料一覧
世界三大料理の1つ、中華料理。美味しくて元気が出ますよね!
お店で中華料理を食べて感動して、いざ家庭で作ろうと思うと何か物足りない・・・・・・そんな経験ありませんか?
足りないのは中華料理の調味料ではありませんか? 日本にはない中華料理独特の調味料を使ってみましょう!
ということで、今回は中華料理に欠かせない調味料と香辛料をご紹介。種類は多いですが、特徴を知ればいろいろな料理に応用が可能です。中華調味料の魅力にはまれば、いつの間にかキッチンに中華調味料がずらりとそろっているかも?!
中華料理には種類がある
中華料理と一口に言っても、たくさんの種類があるのをご存じですか? 中華料理には、大きく分けて8つの種類があり、中国では“八大菜系”と呼ばれています。
八大菜系は、山東料理、江蘇料理、浙江料理、安徽料理、福建料理、広東料理、湖南料理、四川料理のことを指します。日本では聞きなれない料理もありますね。
日本でよく知られているのはこのうち、北京料理、四川料理、広東料理、上海料理の四つ。中華四大料理と呼ばれています。
中国はとても広いため、地域によって料理の特徴が違うため、このように多くの種類に分類されるのです。それぞれの特徴をすこしだけ見てみましょう。
北京料理(北方系)=濃いめの味付けで、塩味が強いのが特徴。使われる食材は小麦、豚、羊が特徴的です。代表料理は北京ダック。
四川料理(西方系)=香辛料を多く使い、辛い味付けが特徴です。米、豚、鶏、大豆がよく使われます。代表料理は麻婆豆腐。
広東料理(南方系)=素材の味を活かすような薄めの味付けの料理が特徴。パワフルなイメージの中華にそんな料理があったかな?と思うかもしれませんが、広東料理の代表が八宝菜だといったら納得できるのではないでしょうか。米、豚、魚介類が特徴的です。
上海料理(東方系)=辛い中華料理のイメージとは異なり、甘みが強い料理が特徴です。食材は米、豚、魚介類。代表料理は小籠包です。
この中から、自分のイメージする中華料理を選んで、その料理に合う調味料や香辛料からチャレンジしてみることをおすすめしますよ。
初心者は調味料系からトライ!
中華料理には数多くの「香辛料」が使われています。凝ってくると、自分で香辛料を調合して、好みの味や辛さを追求したくなってきますが、まずは香辛料がすでに調合され、味付けがなされている「調味料」を使うのがおすすめです。味が決まりやすいのも良いところです。「混ぜるだけで麻婆豆腐ができる」ような商品も最近はよく売っていますが、自分の味を追求するならば「調味料」です!
味の特徴がわかってきたら複数の調味料を駆使することにより、味に深みも出て本格的な中華料理に一歩近づくことができます。
中華料理の調味料、種類と味
ここからは代表的な中華料理の調味料を7つご紹介します。最近はスーパーでも簡単に中華料理の調味料を購入できるようになりました。味や量、値段も様々。専門店に行かなくてもいろいろと試すことができますね。
1.豆板醤(トウバンジャン)
誰もが知っている中華料理の調味料の代表です。味噌よりももう少しどろりとしていて、真っ赤な色、シンプルな辛さとコクが特徴。少量で辛さのインパクトを加えることができます。
原材料は、空豆で作った味噌に塩漬けにした唐辛子を加えて作る、発酵調味料です。
豆板醤は200年以上前、中国の四川省で初めて作られ、今も四川省が一大産地とされています。正式名称は豆板辣椒醤(トウバンラージャージャン)というそうですよ!
ちなみに中国産が多いですが、
辛みが必須のエビのチリソースや麻婆豆腐には必須の調味料です。
2.甜麺醤(テンメンジャン)
北京ダックに使われる甘味噌です。原材料は、小麦粉、砂糖、お酒、醤油、ごま油。コクがあって甘味の強い味噌と言えばイメージしやすいかもしれません。日本の調味料で代用するときは味噌、砂糖、醤油をブレンドすれば近い味になりますが、やはり本物の甜面醤の風味にはなりません。( 味噌を八丁味噌にすれば、かなり味のイメージが近づきますが、やはり本物とは違います。)北京ダックのほかにも、回鍋肉や麻婆豆腐にも使います。独特の風味がおいしすぎて、ついつい使いすぎ、すぐに一ビン無くなってしまいます。
3.芝麻醤(チーマージャン)
担々麺に使われている調味料がこの芝麻醤です。
白ごまを炒ってから、すり潰し、植物油や調味料を足して練ったものです。日本で見かける「練り胡麻」よりも滑らかで、味に深みがあるのが特徴です。担々麺のほかにも、冷やし中華、棒々鶏などに使われます。
4.牡蠣油(オイスターソース)
牡蠣の油、オイスターソース。生牡蠣を塩水につけ発酵させ、煮汁を濃縮し、調味したものがオイスターソースです。どろりとしたソースで、カキの濃厚なうまみと風味が特徴。広東料理によく使われ、アミノ酸と核酸のうま味成分が料理にコクを出してくれます。
肉や魚類が入っていない料理にも充実感を出してくれます。炒め物や炒飯、焼きそばなど、幅広く使うことができる万能調味料です。
私はある有名な料理家の先生に無人島に持っていくならどの調味料?と聞いてみたことがあるのですが、その答えはオイスターソースでした。これは私も同感です笑ぜひ一家に一本と声を大にして言いたい調味料です。
5.XO醤(エックスオージャン)
XO醤は歴史ある中華料理の調味料としては、新しい調味料です。
香港ペニンシュラホテルの料理長が、最初に作り出したと言われる高級調味料。
スーパーなどで見かけても、そのお値段に驚くこともあります。
XOと言う言葉は、ブランデーの最高級品と言う意味を持つエクストラオールドからきています。(でもブランデーは入っていません。)
代表的な材料は、干しエビ、干し貝柱、金華ハム。それにニンニクや唐辛子、植物油、紹興酒やオイスターソースなどで調味されたものが多いようです。
ただし、XO醤はそれぞれのレストランなどで、材料や作り方に大きな違いがあります。そして、そのレシピは門外不出。そんな事情から、市販のXO醤は味にも違いがあります。いろいろなXO醤を試して、好みの味を見つけるのも楽しいかもしれません。
6.豆鼓醤(トウチジャン)
豆板醤と名前が似ているので間違いやすいのですが、豆鼓醤は辛くありません。黒豆を発酵させたものに、にんにくなどを加えて作ります。
日本の調味料に似ているものはないのでイメージがつきにくいですが、コクのある味噌といったイメージ。炒め物などに使うと、奥深いコクを簡単に出すことができます。
7.桂花醤(ケイファジャン)
桂花醤は、キンモクセイの花を煮詰めて作られる醤です。点心の餡や、杏仁豆腐のシロップ作りに使用されます。
キンモクセイは漢方薬としても使用される材料です。キンモクセイは胃腸の働きを整えるほか、低血圧や不眠症を改善する働きがあります。
ちなみに、手作りも可能。作り方をご紹介しましょう。
♢桂花醤の作り方
1. キンモクセイの花びらを採取し、枝が入らない様に気をつけます。
2. 10gほど採取したら、ザルでチリなどを落とします。この時に入ってしまった枝や、緑の軸などを取っておきましょう。
3. ボウルに水を張り、手でゆっくりかき回しながら、汚れを沈殿させます。この作業を2回繰り返します。
4. 鍋に水100cc、グラニュー糖30gと一緒に花びらを鍋に入れ、弱火でゆっくり煮詰めていきます。
5. もしあれば、ここで桂花陳酒を大さじ2くらい入れると香りが良くなります。(桂花陳酒は白ワインにキンモクセイの花を漬け込んだお酒です。)
6. 色が変わり、煮汁が半分程度になれば完成。目安は、沸騰してからコトコト3〜4分です。冷めるととろみが強くなるので、熱いうちに瓶詰めして冷まして冷蔵庫で保管して下さい。
7. 砂糖と水で作ったシロップに、桂花醤を加えれば、杏仁豆腐のソースがすぐに出来ます。白玉団子やコンポートにも合いますので、ご自宅にキンモクセイがある方は試してみて下さい♪
中華料理の7つの香辛料
次に、中華料理で使われる香辛料についてご紹介しましょう。中華料理に使用される香辛料の中には、漢方で使用される生薬も多く、中国では体調によって食べる料理を選ぶ人もいるくらいです。まさに医食同源ですね。
1.鷹の爪(乾燥唐辛子)
中華料理の香辛料と言って、初めに思いつくものは何でしょうか? 最も有名なのは、唐辛子です。日本で唐辛子と言えば、なんとなく1種類を想像しますが、中国では唐辛子の種類がとても豊富です。
中でも、「鷹の爪」と「朝天」の2種類が主流。この2種類の乾燥唐辛子の中で、さらに複数の品種があり、それぞれ辛み、香りの特徴が異なります。料理によってどの唐辛子を選んで使用されるのです。
まずは日本でも広く出回っている鷹の爪。唐辛子のことを鷹の爪と呼ぶんだと、認識している人もいるのではないでしょうか。鷹の爪は唐辛子の1つの種類の名前なのです。細長く尖ったタイプの唐辛子で、辛さもマイルドなのが特徴。日本で鷹の爪と呼ばれているのは、天鷹(てんたか)、三鷹(さんたか)、熊鷹(くまたか)の3種類を指します。
2.朝天辣椒(乾燥唐辛子)
辣椒(=唐辛子)は、四川を代表する唐辛子です。鷹の爪とは違い、プックリ丸っこい形をしています。
強い辛みと、食欲をかき立てる香りが特徴で、麻婆豆腐などによく使用されています。
辛い物が好きな人、風味豊かな辛さを求める人に向いている唐辛子です。
人によってはバナナの香りがすると称する人もおり、色、香り、辛みのバランスの取れた唐辛子で、細かく刻んだり擂ったりして使用します。
3.花椒(ホアジャオ)
名前から連想されるように、山椒のことです。でも、日本でも良く使用される粉山椒とは少し違います。花椒には種類があり、完熟した山椒の実を乾燥させた干花椒と、陰干しにした青花椒があります。
乾燥させたものは赤味がかかり、陰干ししたものは青いままです。
料理の見た目によって使い分けることが多く、山椒を使った料理には「麻」(=しびれる)という字が、使われています。
4.陳皮(チンピー)
陳皮はミカンの皮を干したもので、古い物ほど価値があると言われています。
甘み、香り、優しい苦みがあり、八宝菜やモツ料理にも使用されます。
また、漢方にも使用されることが多く、血圧を下げる作用や咳を沈めたりする効能が見込めるとされています。
ただ、生薬として使用されるのは乾燥させて1年以上経過したものだけ。
日本では温州ミカン、マンダリンオレンジの熟成した皮のみが生薬として認定されています。
5.八角(パージャオ)
八角は好き嫌いが分かれやすい香辛料。
大好き!と言う人もいれば、ちょっと遠慮したいと言う人もいます。
主に肉などの臭み取りに使用され、お肉を柔らかくするなどの効果もあります。
甜麺醤、辣油などの材料としても使用され、中華料理ではお馴染みの香辛料と言えます。
八角はトウシキミという木に実る赤褐色の果実。それを乾燥させたものを八角と言います。
スターアニス、八角茴香(はっかくういきょう)とも呼ばれ、星形をしているのが特徴的です。
特に四川料理での使用が多く、豚の角煮やデザート系にも使用されます。
八角に含まれる「シキミ酸」はタミフルの原料としても使用されており、血の巡りを良くすると言われています。(八角自体を食べてもインフルエンザへの効果は認められていません!)
6.桂皮(グイピー)
主に、クスノキ科のケイと呼ばれる樹皮を乾燥させたもの。別名、ニッキやシナモンと呼ばれます。
甘みと辛みがあり、鍋や点心、お茶などに利用されています。
発汗して発散する作用があり、身体を温めながら熱を放出する生薬と言われています。
鎮痛作用や解熱作用、睡眠作用があるとされており、風邪の諸症状などに効果があると言われています。
しかし、妊娠時は使用を避けた方が良いと言われています。
7.甘草(カンゾウ)
カンゾウエキス配合の医薬品が多く存在しますので、耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか?
日本の漢方薬の約70%に配合されている生薬なんです。
この甘草も中華料理の香辛料として使用されます。
用途は甘味料として。
しかし、独特の薬臭さもあるためそのままの使用はしないのが普通。
醤油などの甘味料として使用されていることが多い香辛料です。
甘草の甘みは砂糖の50倍ほど。
カロリーも低いことから、欧米では自然の食品添加物として使用されることもあります。
漢方で甘草には緩和作用、止渇作用があるとされています。
漢方の中でも基本中の基本の生薬とされていて「国老」と称されています。
まとめ
いかがでしたでしょうか? 中華料理の世界は奥深く、まだまだたくさんの調味料や香辛料が使われています。
味や辛さ、色や香り、効能と、いろいろな角度から楽しめるのが中華料理の調味料と香辛料の良いところでもあります。
お気に入りの調味料を見つけて、普段の料理に取り入れてみましょう。一歩ずつ本格中華に近づいてゆくに違いありません!
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