調味料の賞味期限っていつなの?意外と知らない料理の雑学
食品の賞味期限や消費期限は気になっても、調味料の賞味期限を気にしたことはありますか? 見たことがないから、賞味期限がないような気もします。でも賞味期限がない食品があるの? 塩はどうなの? 味噌は・・・・・・? 今回は意外と知らない調味料の賞味期限について紹介します。
この記事の目次
そもそも賞味期限とは
実は、調味料にも食品と同じようにパッケージに賞味期限が記載されています。見たことがない人も多いのではないでしょうか。
そもそも賞味期限とは何なのでしょうか。まずは正しく賞味期限を知っておきましょう。
賞味期限は難しく言うと下記のように定義されています。
「定められた方法により保存した場合において、期待されるすべての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日のことです。ただし、当該期限を超えた場合であっても、これらの品質が保持されてい ることがあります。」
農林水産省 http://www.maff.go.jp/j/jas/hyoji/pdf/qa_i.pdf
つまり、食品のパッケージ裏などにある「高温多湿を避け」とか「冷蔵庫で」といった保存方法を正しく守ったときにおいしく食べられる期間ということです。
ちなみに上の文の後には、賞味期限を過ぎてしまった場合のことも書いてあって、簡単に言うと「食べてみて大丈夫ならOK!」と書いてあります。過ぎてしまったからといって直ちに食べられなくなるわけではないのです。
ということで、色々な調味料の「おいしく食べられる期間」を見てみましょう。
塩の賞味期限
塩には賞味期限がありません。塩はそもそも防腐力があり昔は食品を保存するために使われていたくらいですから、悪くならないのです。
ただ、水分は嫌います。気を遣いすぎて冷蔵庫などで保管してしまうと、パッケージの内側が結露して固まることもあります。にがりが入っている塩は水分を吸いやすいですので、特に気を付けましょう。
パッケージにも書いてある通り、高温多湿を避け、常温で保存するようにしましょう。
砂糖の賞味期限
砂糖も塩と同じように、時間の経過で劣化しない調味料です。そのため、未開封はもちろん、開封したとしても適切な保存方法をしていればいつまででも使用可能。
気をつけたいものの1つは湿気です。水分量の少ないサラサラのグラニュー糖、水分量が多くごわごわしているキビ砂糖、砂糖にはいろいろな種類がありますが、どれも湿気はNG。溶け出しているようならば、傷んでいる可能性もありますので、使うのはやめましょう。
また、変色しているときは、砂糖以外の何かが溶け込んでいることがあるので、使わないほうがいいでしょう。
もうひとつ気を付けるべきなのは害虫です。未開封の状態でも、ネズミなどアゴの強い生き物には簡単に開封されてしまいます。開封後はもっと気を付けるべき。
湿度を避け、密閉容器での保存が最も良いでしょう。
醤油の賞味期限
塩、砂糖に次いで家庭での使用頻度が高い調味料と言えば醤油です。
未開封の状態では、メーカーによって違いますが、1年から2年が賞味期限の目安となります。
開栓後は一気に短くなり、冷蔵庫に入れて約1ヶ月ほどが目安。
醤油は開栓してしまうと、空気に触れて酸化が進みます。最近空気が入らない容器に入ったお醤油もありますが、裏を返せば空気に触れると劣化してしまうということ。期限が切れたからと言ってすぐに食べられなくなる訳ではありませんが、風味が落ちますので、期限内に食べるほうが良いでしょう。
もし期限が切れてしまったら、加熱して使うのがおすすめです。つくだ煮などの煮詰める料理や、みりんやだしなどと一緒に使うと、風味が気になりません。
お醤油は小さな容器に入れて食卓において置くことも多いですね。ここで気を付けなければいけないので、お醤油の容器に継ぎ足してしまうこと。残っている醤油は酸化が進んでいるので、使い切ってから変えましょう。
また、醤油にはカビが生えることがあります。醤油にカビが生えるとは想像できませんが、白い幕のようなものができることがあるのです。これは産膜酵母菌といって身体に害のあるものではないですが、醤油の風味を落とします。処分するか、過熱して食べましょう。こういったカビを防ぐためにも、開栓後の保存は冷蔵庫が最適なのです。
それから料理に使うときも、注意が必要。火の近くに置いておかないのは基本ですが、料理中の湯気にも実は気を付けたほうがいいのです。鍋の湯気が立っているところに、容器の口をかざして注いでしまうと、湯気を吸って劣化が進みます。
そんなときはお玉などに注いでから入れましょう。細かいことですが、使用頻度の高い醤油ですから、毎日の積み重ねが醤油を長く美味しく使用するコツです。
味噌の賞味期限
味噌も醤油と同じように、大豆を発酵させた発酵調味料。
味噌は保存食なので、時間が経っても腐りませんが、風味やおいしさが落ちていきます。
味噌は地域ごとに特色があり、いろいろな種類があります。種類によって塩分量が違うので賞味期限もすこしずつ異なります。 味噌の種類についてはこちらにも詳しいので興味がある方は見てみてください。
八丁味噌や、赤だしなどの豆味噌は6〜12カ月。日本で一番食べられている信州みそなどの米味噌は、2種類あり甘味噌で3〜6カ月、辛口味噌で3〜12カ月。だしを入りなどの調合味噌は3〜12カ月が目安です。
常温保存している方も多いかもしれませんが、ベストは冷蔵庫。
冷蔵庫がいっぱいの時は、なんと冷凍庫でも保存可能です。味噌は凍る温度がかなり低いので、家庭用の冷蔵庫で凍ることはありません。冷凍庫から出してもペースト状なので、すぐに使うことができます。
酢の賞味期限
酢はとても殺菌効果のある調味料です。そのため、賞味期限は1年~2年と長めに設定されていることが多いようです。開封後は保存状態によりますが、冷蔵庫では1年、冷暗所では半年が目安です。開封後は雑菌が入ることもあり、賞味期限が短くなります。
酢は時間が経っても腐ることはありませんが、酸味が抜けて味が変わってしまいますので、なるべく期限内に消費したいですね。
ポン酢
酢を使った調味料、ポン酢。ポン酢の賞味期限は商品によって異なります。ポン酢の主な材料である酢も醤油も保存がきくのですが、果汁を使ったものや、他の調味料が入っているものあり、商品ごとに確認が必要です。開栓後は冷蔵庫に入れてください。
みりん、酒の賞味期限
和食に欠かせない調味料、みりんと酒。この2つの調味料は1リットル以上のボトルで売っているのが標準な上、一気にたくさん使用することがないため、開封後も長期保存している人が多いのではないでしょうか。
開封前の賞味期限の目安は、本みりんは1.5年、みりん風調味料・料理酒1年です。
※みりんとみりん風調味料の違いについてはこちらもご参考に。みりんの効果で料理がおいしく!そのうえ美容と健康にも良い!
開封後の目安は、みりん、酒、ともに1〜3ヶ月程度。
みりんは糖分を含む調味料のため、冷蔵庫に保管してしまうと糖分が沈殿したり白く濁ったりすることがありますので、注意しましょう。
油の賞味期限
油も腐らないイメージがあります。でも、油の賞味期限は実は意外と短いのです。
いろいろな種類の油がありますが、大まかにサラダ油やオリーブオイルは未開封で1年〜2年ほどが賞味期限。お歳暮やお中元で頂いたりで、未開封のまま家に眠っていませんか。油は日光や電気などの光に弱いので、光の影響が少ないところに保存するのも大切です。
開封後は空気に触れることで、酸化して劣化が進みます。そのため、開封したら早めに使い切るようにしましょう。目安はおよそ、1、2ヶ月程度です。
オリーブオイル
油の中でも生で食べることも多いオリーブオイル。
オリーブオイルも空気と光、熱を嫌います。開封すると劣化が進み、香りに影響してきます。特にエクストラバージンオリーブオイルの場合は、香りは命ともいえるもの。新鮮な内に食べきりたいですね。
※エクストラバージンオリーブオイルと普通のオリーブオイルの違いについてはこちらも見てみてくださいね。
エクストラバージンオリーブオイルとオリーブオイルの違いとは?料理に合うおすすめのオイル6選
また、プラスティック製の容器で販売されている油は、金属やガラスで出来た商品よりも、劣化速度が速いと言われています。容器も考慮しながら、食べきれる量を買って早めに消費しましょう。
バター
バターは10度以下で保存したほうが良いようです。お菓子作りなどで常温に戻したい場合は、使う直前に常温に戻しましょう。開封前の賞味期限は冷蔵庫保存で6か月程度、開封後は2週間が目安です。
長期間冷蔵庫で保存すると、バターの表面が濃い黄色になってしまう場合がありますが、これはバターの表面の水分が蒸発して、黄色の元の乳脂肪が強調されるため。品質に問題はありませんが、そうならないように早く食べたほうがいいでしょう。
冷凍保存も可能ですので、小分けにて冷凍する、というのも手かもしれませんね。
豆板醤の賞味期限
中華系に欠かせない調味料、豆板醤。しかし、あまり使用頻度が高くないため、1回使って冷蔵庫に入れっぱなしと言う人も多いかもしれません。
豆板醤は、ソラマメを、塩、唐辛子を加えて発酵させた調味料です。そのため、未開封で1〜2年の賞味期限が設定されており、長期保存が可能です。
開封後はメーカーによって違いますが、冷蔵庫保存で1年に設定されている場合もあります。
料理に使うときは清潔なスプーンなどですくって使用しましょう。他の食材と触れてしまうと、保存効果も薄れ、劣化してしまいます。
マヨネーズ、ケチャップの賞味期限
マヨネーズとケチャップは子どもがいる家庭では消費量ナンバーワンの調味料。すぐに無くなってしまうので大きなボトルで購入している人も多いかもしれません。逆に大人だけの家庭だと多すぎて余ってしまい、ずっと冷蔵庫の中、ということもありそうです。
マヨネーズもケチャップも酢が多く使われていますので、未開封の状態であれば1年ほど保存は可能です。
開封後は、ケチャップもマヨネーズも冷蔵庫に入れて1ヶ月を目安に使い切りましょう。
マヨネーズは10度を下回ると油が分離することがあるので、ドアポケットでの保管が良いようです。
ソースの賞味期限
マヨネーズ・ケチャップと同じく、酢を使った調味料、ソースはどうでしょうか。
ソースも長期保存が可能で、開封していなければ1年が目安になるようです。開栓後は冷蔵庫保存を基本として、ウスターソースの場合60日、とんかつソースや中濃ソースは30日が目安です。
保存方法さえ守れば、調味料は長期保存が可能
ということで、調味料の多くは、味や風味が落ちるけど腐りにくい、ということがわかりました。とはいえ、おいしくいただくには正しく保存して、賞味期限内に使い切ることが大切。自分はどのくらいの量を使うかを考えて、ちょうどよい容量の調味料を買えば、余って長期保存することもなくおいしく消費できます。調味料がおいしければ、料理もきっとおいしくなるはず!上手に調味料を保存して、おいしい料理を作りましょう。